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英語カスタマーサポート係の備忘録

ソフトウェアベンダーで英語カスタマーサポートをしている会社員の備忘録です。

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In environment か On environmentか Under environmentか

前置詞には悩まされる。難しい。外国語学習者にとって、一番難しいのではないのかと思う。親しい米国人の友人も、相当な日本語力だが、テニヲハは間違う。お互いに苦労しているのだ。

 

さて、この業界では「環境」(environment)という言葉をよく使う。例えば、OSの種類やバージョン、その他ドライバだったりコンポーネントだったり、そういったインストールされているものの違いをすべてひっくるめて「環境」なわけだ。

 

お客様から「これこれこういう問題がおきた!」という連絡をいただくと、まずはその現象を再現させるためにいろいろとやってみる。が、現象を再現できるのは2~3割程度で、それ以外は大抵再現できない。環境が違うからだ。

 

そいういうとき、

「我々の環境では問題を再現できませんでした。お手数ですが以下の情報を教えてください」とお願いすることになる。さて、この時いつも迷うのが、環境(environment)の前に使う前置詞だ。

 

一般的にenvironmentの前置詞としてよく使われるのは、inとunderだと思う。この場合の「環境」は、いわゆる「環境汚染」とか「引っ越し先の新しい環境」とか、従来の使い方の「環境」。けれども、コンピューターの世界の「環境」だとどうなるのだろう?

 

同じことを考えている人は世界中にいるらしく、こんなウェブサイトを見つけた。質問している人はスペイン人だが、疑問の内容は私の物と全く同じだ。妙に親近感。

https://forum.wordreference.com/threads/on-in-prd-environment.2802874/

これを読むと、ふむふむ、なるほど・・

on environment (different platforms=different servers)

in environment (different environments on the same platform) 

ならば、

「我々の環境では問題を再現できませんでした。」は、

We were not able to reproduce the issue on our environment.

となるのだろう。使っているサーバーは別物なのだから。

 

on environment という表現は、この業界独特の表現ではないだろうか?

 

以前から思っていたのだが、英語の概念では、コンピュータ上の領域を「面」でとらえて"on"を使うことが、圧倒的に多い。OSなどのインストール済みの基本ソフトの「面」の上で、人がオペレーションしたり、ソフトウェアが走ったりする、そんなイメージなのだろう。そもそも、computerという単語そのものの前置詞が、圧倒的に"on"である。"something in this computer"と言われると、なにやらとても物理的なイメージ、つまりコンピュータの中に本当にあって、ぶっ壊せばそれが出てくる、そんなイメージだ。"something on this computer"なら、somethingはデータのことだとイメージできる。この辺りの"in"と"on"のすみわけが、類似する単語にも影響しているかもしれない。

 

だが、日本語の話者は、コンピュータに存在する領域は「空間」と捉えて、"in"を使いたくなるのではないだろうか。なんたって「メモリ空間」というい言葉もあるのだ。少なくとも、私にはコンピュータ上の領域は「空間」に思える。

 

でもでも、"on"なのだ。まことに前置詞は難しい。

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alsoとtooとas well

追加で何かをお願いしたいとき何といえばいいだろうか、と考えていて、「こちらも」の「も」に何を使うか悩んでしまった。

 

I'm sorry to trouble you, but could you also add this product?

I'm sorry to trouble you, but could you add this product too?

I'm sorry to trouble you, but could you add this product as well?

(お手数おかけして申し訳ありませんが、この製品も追加していただけますか?)

 

上の三つの文、どれもお願いの内容は伝わると思う。でもalsoとtoo, as wellでは文法的に果たしている役割は違う。

 

alsoは「(あの製品に引き続き)この製品の追加もお願いできますか?」となる。you add this product全体にalsoがかかるからだ。

tooとas wellは「この製品も追加をお願いできますか?」となる。this productにtooとas wellがかかるからだ。

だが、文法的に違うとはいえ、伝わった内容はほぼ同じと考えてよいだろう。

 

ただ文の意味が分かったところで、この三つがネーティブにどう違って聞こえているかはよくわからない。この三つどう使い分けられているのか、Cambridge Dictionaryを見てみよう。

http://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/also-as-well-or-too

 

as wellが会話で好まれるというのは納得だ。私もしゃべる時は、tooよりas wellを使うことが断然多い。そして書くときは、tooよりもalsoを使うことが多いので、しゃべるときも書くときも、好んでtooを選択することがない。というわけで、最近tooを使った覚えがないと思っていたが、確かに確かにCambridge Dictionaryの解説のとおり、you too!(あなたもじゃん!)やme too!(わたしも!)といった表現はもっぱら会話で使っている。tooはちゃんと特別な居場所があるわけだ。

 

今回は仕事の依頼なので、

I'm sorry to trouble you, but could you also add this product?

I'm sorry to trouble you, but could you add this product too?

 

が適当なのだろう。 

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ここにたどり着くまで

学生で「将来は英語でカスタマーサポートをするのが夢です!」と目を輝かせる人はいないだろうと思う。私も若かりし頃、この職業につくことは予想だにしていなかった。

やってみたら、意外と私の性に合っていた。

 

遡ることうん十年、まだテレホンカードが現役だったころの話だが、私はもともと国語・数学・英語の三教科が好きで、この組み合わせで受験できる大学を受けることにした。当時私立の文系はだいたいこの組み合わせで受けられた。今はどうか知らない。国立の文系とも理系ともつかない学部も受けられるところがあったので受けた。

 

結局私立の教養学部に進むことにしたのだが、大学に行って分かったことは、私は教養と言われている事には興味がない、ということだった。4年も大学にいながら得たものがこれなので、褒められたものではない。

 

結局大学で面白かったのは、語学とUNIXワークステーションだけだった。

 

UNIXは面白かった。そこで初めて見た出始めのインターネットの世界も面白かった。そんで、結局新卒で就職するとき、理系就職してしまった。

 

それから、ITエンジニアのたまごとして勤めた。リレーショナルデータベースに出会って「魔法の箱だ!」と思い、はまった。職場にはインド系のエンジニアもいて、英語で話さねばならなかった。これも面白かった。

 

しかし、かなりの忙しさだった。当時ブラックという言葉はなかったが、今なら間違いなくブラックだろう。結局、家庭をもったら続けることができなくなった。

 

仕事は辞めたが、子育ては仕事よりさらに大変だったので、辞めたことは全く後悔しなかった。

 

一番下の子供が学校へ行くようになったタイミングで、古い知人が「英語カスタマーサポートやってみない?」と声をかけてくれた。一日数時間のバイトでいいという。しかしオフィスへ通うのは10年ぶりである。大丈夫なのか。

 

開発は日進月歩の世界なので、こんなにブランクがあいたら戻るのはまず無理だろう。さらに、忙しさが半端じゃないのは今も変わっていないだろうから、子育てしながら戻れる所でもないと思っていた。でも、カスタマーサポートなら・・・決まったスケジュールで動ける、古い知識でも役に立つことがある、好きな語学もちっとは役に立つかもしれない、何より世界の人とやりとりするのは面白そう、というわけで引き受けてしまった。

 

この所思うのだが、人間、あっちがだめ、こっちがだめ、あちこちぶつかりながら、どんどん可能性が狭まっていって、収まるところに収まるようになっている気がする。面白いもんだと思う。

 

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in detailとfor more details

ここのところ単複問題についてばかり書いているが、またまた単複問題である。

detailとdetails、これも使い分けに苦労する。

 

detailを辞書をひけば、

1(可算)細部・細目

2(不可算)細部

といった具合で、こりゃー使い分けに困るわけだわ。

詳しくあれこれ考えても深みにはまるだけなので、えいやーでまとめてしまおう。話者が細かい部分部分に目を向けて話していればdetails、細部を一つのまとまりととらえていればdetailというふうに考えよう。

 

カスタマーサポートでよく使う表現をまとめておこう。単独でthe detailsと使うことも度々あるが、専らよく使うのは、for more (the) detailsとin detailである。in detailはin detailsとはならないことに注意しよう。

Could you provide me the details about your request?

(ご要望について詳細を教えていただけますか?)

Please refer to the attached document for more details.

(さらに詳しい情報については、添付ドキュメントを参照ください。)

Could you explain the situation in detail when the error occurred?

(エラーがおきた時の状況を詳しく教えていただけますか?)

 

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contentとcontents

以前リリースノートを書いていた時に、こんな文にぶつかった。

 

「A欄の内容が適切に表示されないバグを修正しました。」

Fixed the bug that the contents of A are not displayed properly.

Fixed the bug that the content of A is not displayed properly.

 

「内容」はcontentかcontentsか?そもそも内容は数えられるんだろうか?どうやって??あーまた、「何をもって1とするか」問題にぶち当たってしまった。分からないときは調べるべし、と調べてみたら、ますます分からない。

 

以下はCambridge Dictionaryのサイトである。

http://dictionary.cambridge.org/grammar/british-grammar/content-or-contents

 

なんか不思議だなあ。contentは不可算名詞で数えられず「中身(全体)」という意味、contentsは常に複数で複数扱い、そして複数形のcontentsは専ら「(本の)目次」という意味で使われる、とこういうことらしい。

 

しかし、実感として、「内容」という意味でcontentsという言葉がITの世界で広く使われるようになっているのは、日々読んでいるメールやドキュメントから間違いないと思う。複数形が使われる場合、一つの大きな入れ物の中の部分部分を意識していることが多く、複数形の方がしっくりくるいう人が、この業界では増えてきたということなのではないだろうか?

 

もう一つサイトを紹介しておこう。English Language & Usage Stack Exchangeのサイトである。こちらの方が、いろいろな状況が紹介されているので、応用がききそうだ。

http://english.stackexchange.com/questions/13556/content-or-contents

 

これによれば、文書の中身などは、contentsと複数で扱われるのが通例のようなので、「A欄の内容」についてもthe contents of Aとするのが妥当だろう。

 

ネーティブの間でも揺れている用法があるのは当然といえば当然なのだが、ノンネーティブにとってはトホホな話だ。とりあえず、概念のイメージを作っておこう。contentの場合、矢印は全体を向いている、contentsの場合、矢印は部分部分が複数あることに向いている、と考えておけばよいのではないだろうか。

 

ちなみにcontentが単数で使われる場合は、こんな場合ではないだろうか?

「悪いけど、このサイト、内容しょーもないよね」

Frankly speaking, the content of this website is useless.

 

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対応有難う

海外の代理店に、あるお願いをしたところ、早速対応してくださった。

さて、なんと言おう。。。

普段は対応する側なもので、立場が逆になると書くのに迷う。

日本語なら「早速ご対応いただき有難うございます」と書くだろう。

英語なら?

 

Thank you for your prompt

 

ここまではよし。ここからの言葉のチョイスが問題。

 

Thank you for your prompt assistance.

(早速ご協力いただき有難うございます。)

Thank you for your prompt help.

(早速ご助力いただき有難うございます。)

Thank you for your prompt reply.

(早速返信いただき有難うございます。)

Thank you for your prompt response.

(早速ご対応いただき有難うございます。)

 

promptシリーズとはちょっと違う言い方で、

Thank you for processing my request quickly.

(早速依頼の件に対応いただき有難うございます。)

 

も使えそう。

実際に行動してくださって問題が解決したお礼を言いたいので、この場合は、assistanceかhelpかresponseかprocessing my requestが適当だろう。replyもよいが、ただ単に返事が速いだけでなく、実際に行動をおこして下さっているので、ちょっと物足りない。

 

そういえば、普段お客様からいただく言葉には、Thank you for your helpが断然多い。次が、for your support。宛先がカスタマーサポートなのだから当然といえば当然だが、helpは広い守備範囲で使われているようなので、迷ったらhelpという選択もありだろう。

 

メールの締めには、

Thank you again for everything you’ve done.

(重ねてお礼申し上げます。)

が使えるだろう。

 

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data の単複問題

またまた単数複数問題。

日本語でもよく使うデータという言葉。もともとは、ラテン語

datumが単数形、dataが複数形だ。なので文法のルールに従えば、dataは複数扱いすべきである。

 

しかしながら、である。この業界で働いていると、dataは単数扱いされているのをよく見かける。おそらくこれは、dataを一つのdata setとして考えているから単数なのだ。salesのところでも書いたのだが、dataという単語も「何をもって1とするか」というユニットの定義が極めてあやふやだ。あやふやだと使う人が好き勝手に考えるので、こういう事態になっているのではなかろうか。dataのような抽象度の高い数えられる名詞はまったくもって厄介極まりない。書く方はいちいち迷う。

 

また、この言葉は、ネーティブの間でも色々ともめているようだ。

https://www.theguardian.com/news/datablog/2010/jul/16/data-plural-singular

上記はイギリスの新聞 The Guardianのウェブサイトだ。あれこれと色々と書かれているが、結局The Guardianは「dataは複数形だが単数扱い」という文法的矛盾を孕んだ結論になったようだ。面白い。結論だけ抜いておこう。

 

Data takes a singular verb (like agenda), though strictly a plural; no one ever uses "agendum" or "datum"

(dataは厳密には複数形だが、単数扱い。今や誰もagendumやdatumという言葉を使ってない。)

 

dataは毎日使う単語だが、まことに奥が深い。言葉のあいまいさ(ambiguity)は時としてお客様との間に認識のずれを生むことがあり、一方でコンピュータというambiguityを状況に応じて解釈しないもの(AIはまた別だが)にその認識のずれを持ち込めば、それが大きな問題となる場合もある。

 

つくづく言葉の世界に生きているなあと思う。

 

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